『いまを生きる』


今回うみちゃんが舞台に出るにあたって、
映画「いまを生きる」を観ました。

いまを生きる (字幕版)

いまを生きる (字幕版)


普段はあんまり観る前に原作を読んだりしない。
先入観ができてしまうし、何より結末を知ってしまうのがいやだから。真っさらな気持ちでみたいと思っていて。


だけど今回はうみちゃんが「一緒に仲良く歩いていきたい!」という“キャメロン”がどんな子なのか知りたかったので観ました。


なので、私と同じく内容に触れるのがやな人はまたいつか思い出したときに読みに来てくれたら。(というか観たものをとびとびで書くので観てないとなんのこっちゃかもしれません)







カーペ・ディエム = いまを生きろ


我々は死ぬ運命なのだ
ここにいる全員いつか息が止まる日が来て
冷たくなって死ぬ



うみちゃんの役、リチャード・キャメロンは
授業中も一生懸命ノートを取る男の子。

規則に逆らうことを恐れてるけど、
なんやかんや周りに合わせて生きてるから
戸惑いながらもノートを破くし、
洞窟にも行く。

ちゃんと定規を当てて破くところに
彼の真面目さを感じた。


言葉や信念は世の中を変えられる
良くも、悪くも。

英語(向こうの国語)の先生であるキーティングは
言葉や表現は「味わう」ものだと教える。


医学、法学、経営、工学は
生きるために必要な尊い仕事だ
だが、詩や、美しさ、ロマンス、愛は
我々の生きる糧だ



現実主義だという同僚の先生が
愚かな夢に縛られぬ
心の持ち主こそ幸福なり
と言えば、
間髪を入れずに
真の自由は夢の中にある
昔も今もそして、これからも

と続けるキーティング。



死ぬときに後悔のないよう生きるため
という一節。


17歳ってやっぱりまだ若くて、
怖いもの知らずで、大人じゃない。

自分の思うように生きたくて
けれど大人のいうことにこれでもかというほど
左右される歳だと思う。


キーティングが彼らに与えた影響力は
それは、すごいものだったろう。

それが良かったのか悪かったかなんて分からない。



分かってることも別の面から見直せ
どんなにバカらしく思えてもやってみろ

本を読むときは作者の意図よりも
自分の考えを大切に



とても残った言葉。
“人は静かな絶望に生きるということ”

大人になるにつれて、知識も経験も増えて
どんどん狭くなる世界の中で
絶望を抱える人間がほとんどだけど

甘んじるな、前進しろ。
それを享受し続けることなく、進めという言葉。
美しくて、強いなと思った。



シェークスピア「夏の夜の夢」
トッドに芝居がやりたいと伝えるニールの
希望と夢に満ちた瞳、声色

それを目の当たりにしつつも冷静に
「お父さんを説得してからにした方が」と
宥めるトッドは、元来の臆病さから出たものもあれど
ニールを心配する優しさが感じられた。


でも、相談なんて出来るわけがないニールが

「まだ決まってない」

「少しの間だけ夢に酔わせてくれ」 の表情、
宮近くんのニールでも早く見たいとおもった。



自分のことは自分でやれるから、
ほっといてくれと頼んだトッドに
だめだ、と言い放つニールのいたづらな表情!

リーダー気質な天性のものを
ニールは持っていて、
それを憎く思うか、羨ましく思うかは
あるんだろうな〜と思ったり。

後々の、誕生日プレゼントのシーン大好きだなあ。


ぐるぐる回るカメラワークが所々で出てきて
その場面のスピード感とかはもちろんなんだけど
駆け巡る気持ちとか、
この場面みてるとトラジャを思い出して
勝手にダブらせてほろりとしたりした。
なんにもかぶるところないんだけどね…


トッドがホイットマンについての詩を読む場面も
溢れ出る言葉にキーティング同様、胸をおさえた。



悪いことを覚えて、こっそり大人になる時期。

キーティングの教える詩を通して
自分の中の詩を読み始める生徒たち。


何を言っても分かってもらえない、というのは
本当につらい。

「どうして?」と「仕方ない」の割合は
キーティングと出会って、ニールの中で
ひっくり返ったんだろうな。

その点では責任が全くないとは
言えないのかな。


大人と子どもの間には、
どうしても越えられない壁があって、
それは身体的にもだし、精神的にもある。


大人には分からないよ、忘れてしまっているから。

そういうのが顕著なのが「思春期」で、
17歳の彼らには17歳の彼らなりの思いがあって
どんなに大人から見たらしょうもないことでも
精一杯で、全てで。





ノックスの恋は、なにもかも見えなくなる
まさに恋は盲目だったし
周りの人や、自分の身にさえを気を使えなくなっても
がむしゃらにぶつかって、ただ好きという原動力だけで
最後には(後がとても怖いけれど)
彼女との夜を勝ち取った訳で…






ニールもまた、夏の夜の夢を見て。


もしも彼ら影法師が
お気に召さぬのなら
ひとときの夢と思ってお許しを
とりとめなき夢物語ではありますが
お叱りくださいますな
お許しいただければ身の励み

これから ますます 良き夢 お見せします
きっとお約束を
ではお休み



初めて舞台に立って、
割れんばかりの拍手をもらった高揚感を
ニールは味わって、
父に投げかけるような先の台詞、もしかしたら
今後も許してくれるかもしれない
だって僕はこんなにも上手だった


同時に、諦めたような顔もした
車から外を見るニールの瞳と
その車を見送るトッドの表情。




僕にはしたいことが!

でも芝居は「くだらないもの」「忘れろ」といわれ
それでもやりたいことなんだとニールには言えなかった
言えなかった 飲み込んで、諦めた
諦めてしまった







最後の「”Oh Captain, My captain”」と呟くトッドの真っ直ぐな視線と、やわらかなキーティングの表情に一筋の光をみて終わる。








うみちゃんはこの映画を観て「暖かく優しい先生のもとで成長していく生徒たちがキラキラしていて楽しそうでした」と感じていて、芝居にずっと挑戦してみたかったうみちゃんの、おれも誰かの心のヒーローになりたいうみちゃんのキャメロンがめちゃくちゃ楽しみだ!!!と思った。心折れてもがんばって!!!!!あなたならできる!!!!!!!


あと、ダンスクのインタビューがとても良かった… うみちゃんの初外部舞台が二人と一緒で良かったねぇ。色々教えてあげる様子が初々しくて、読んでてにんまりしてしまった。ちゃかちゃんもしめちゃんもありがとう… 同時にすごく心打たれた。良い関係だなあ。これからもそのままでいてほしい。


本当にやりたいことは主張していかないと、っていう宮近くんがいる限り大丈夫じゃないかなとぼんやり思ったりもした。なにがとかじゃないけどさ、すごくステキなことだとおもうから。


最後にしめちゃんが「こんな大きなチャンスをいただいて、緊張して自分らしさを出せないっていうのが、一番後悔すると思う。みんなで楽しんでやろうね。」って言ってくれてて泣いた。


たのしんで、いまを生きてほしい。


はじめての場所で、はじめての気持ちを手に入れる
うみちゃんの姿を
本当に、楽しみにしています。